【アリーナ】戦闘評価の計算方法【ガンブレモバイル】


ガンブレモバイルの人気ミッションの1つで、非同期とはいえ対プレイヤー戦が可能な「アリーナ」。2019年12月2日に始まった第11回3on3大会から、戦闘評価がこれまでと大きく変わりました。今回は、新しくなった戦闘評価の謎に迫っていきます。

アリーナの戦闘評価を解明する

これまで「ホームラン競争」と揶揄(やゆ)されてきたように、「いかに大きなダメージを与えられるか」が高い戦闘評価を得るための重要なポイントでした。では、新しい戦闘評価では何が重視されるようになったのでしょうか。まずは評価対象を明らかにする必要があります。

評価対象とポイント計算


新評価方式では、3つの観点から戦闘評価が定まります。また、それぞれの重要度から各評価対象にポイントが割り振られ、基本的には減点方式です。

1.クリアまでにかかった時間

戦闘評価に最も大きく関わるのは、敵機を倒すまでの時間です。画面上部のタイムカウントがストップしたときの数値が採用されます。戦闘時間は5分間(実際は4:58から開始)ですが、耐久力満タンの状態で数秒を残してクリアしたとき、戦闘評価は1.114でした。開始数秒でクリアした場合の戦闘評価は1.260(おそらく満点評価)なので、1.260-1.114=0.146の大部分が時間による評価と考えられます。0.146を戦闘時間の300秒(5分)で割ると0.0004866...でした。四捨五入して小数第4位までの数値に直すと、「1秒経過につき、0.0005減点される」ことがわかります。

2.自機が受けたダメージ

新しい戦闘評価計算では被ダメージ(被ダメ)も重要で、少しでも被弾すると評価が大きく下がります。では、その影響はどの程度なのでしょうか。まず、戦闘評価内で被ダメ分に割り当てられた数値を特定します。自機と敵機ともに被ダメ0の状態で時間切れ(引き分け)になると、戦闘評価は0.410になります。これは、被ダメ0と引き分けのときの評価値の合算のはずです。上述の1.のように、耐久力満タンで時間ギリギリに勝利すると戦闘評価は1.114だったので、勝利時は1.000、引き分け時は0.300の戦闘評価が与えられるのではないかと推測できます。残り耐久力を10%以下(画面が赤くなる状態)にして引き分けたとき、戦闘評価は0.308になったため推測は間違いないようです。したがって、0.410-0.300=0.110から「耐久力の最大評価(被ダメ0)は0.110」ということができます。

3.敵機に与えたダメージ

敵機に与えるダメージ(与ダメ)も、まったく影響がないわけではないようです。4:09でクリアし、戦闘評価が1.237だったときのデータを検証してみました。戦闘時間が51秒なので、51*0.0005=0.0255の減点。最高点の1.260から引くと1.2345となり、実際の評価値である1.237に足りません。差分の0.0025が与ダメによる加点ではないかと考えられます。このとき事前調査で敵機の耐久力は18278とわかっており、アリーナではそれが5倍になるため実耐久力は3655ほどです。同じ敵機から戦闘評価1.237を得たときの与ダメは83521でした。これを実耐久力で割ると、与ダメ倍率がわかります。83521/3655=22.851...となり、約22.85倍。1倍あたり0.0001ポイント加算されるとすると、0.002285が戦闘時間のみの評価である1.2345に足されることになります。1.2345+0.002285=1.236785は、ほぼ実際の戦闘評価と近くなりました。よって、「与ダメ倍率の0.0001倍が加算される」とみてよさそうです。

戦闘評価の計算式をつくる

いくつかの実測データを検証し、計算式をつくる材料が出そろいました。これらをもとに、アリーナ戦闘評価の計算式を推定します。検証を進めるにあたって、まずは叩き台となる式が必要です。

満点は1.260

まず、大前提として、新アリーナの戦闘評価の最大値は1.260であるかが問題となります。この問題については、アリーナ上位者たちが、ほぼ開幕と同時に敵機を撃破したとき、一律1.260の戦闘評価を得ているので、これを満点とみなすほかありません。与ダメしだいでは1.260を超える可能性があるのですが、現実的には非常に難しいでしょう。

アリーナ戦闘評価の計算式

推測できる戦闘評価の計算式は以下のとおりです。

戦闘評価=1.260-0.0005×戦闘時間(秒)-0.110×被ダメ/自機耐久力+0.0001×与ダメ/敵機実耐久力

1.260を満点とし、戦闘時間と被ダメによって減算処理がされ、また、与ダメが大きければ加点されます。被ダメ0でより早く、より大きなダメージを与えるほど評価が高いです。

実測値との整合性を検証

計算式が推定できたので、さまざまな実測データに当てはめて、式が正しいかどうかを実証していきます。本当はいろいろな戦闘時間や残耐久力で試すべきですが、私が手に入れられる範囲のデータはそんなに多くはありません。ですが、手持ちの実測値だけでも成り立つことがわかれば一応は世に出すことができます。その後、多くの人の手を借りて、さまざまなケースで検証してもらうという方針です。

時間、被ダメ、与ダメの値を入力して確かめる

推定した計算式の変数は、戦闘時間と被ダメ、与ダメの3つです。これらの値を式に代入して、算出された戦闘評価とゲーム内の戦闘評価が一致するかを確認します。以下に3つの例を紹介しましょう。

4:39終了、被ダメありの場合


JAXAのアリーナ対戦データから。戦闘評価は1.241です。ノーダメージクリアのように見えますが、一刀両断による回復後、画面右で僚機が18のダメージを受けています。しかし、ほとんどゲージは減らず、全耐久力の1%以下なのは明らかです。与ダメは、シャイニングフィンガーソードのダメージ表示が画面外で見切れているため、正確にはわかりません。しかし、アリーナでは耐久力が5倍になっているので、敵小隊を自機でほとんど倒した場合、実耐久力の5倍以上の与ダメが出ているはずです。よって、戦闘時間21秒、被ダメ率1%、与ダメ5倍として計算式に代入してみましょう。

1.260-0.0005×21-0.110×0.01+0.0001×5=1.2489

これでは計算式のほうが高くなりますね。被ダメはほんの少しでもマイナスが大きいので、例えば実耐久力90%以上は一律マイナス10%扱いだと仮定してみます。そして、改めて計算してみると

1.260-0.0005×21-0.110×0.1+0.0001×5=1.239

となり、かなり実測に近くなりました。また、敵小隊の戦闘力合計は30万台ですから実耐久力も低いと予想し、与ダメ倍率を20ぐらいと仮定すると戦闘評価は1.2405です。四捨五入して1.241になりますね。切り上げ計算なら、16倍でも1.241です。

4:47終了、被ダメあり?の場合


アリーナトップランカーのiaNNさんから提供していただいた対戦データです。開幕に戦国アストレイ隠し腕で1機撃破、次いでファトゥム00で回復しつつ2機目を倒します。残りは僚機が仕留めました。戦闘時間は13秒で1.255ぐらいは出そうなタイムでしたが、結果は1.244。これも計算式に代入して確かめてみます。まず、戦闘時間13秒、被ダメ率0、与ダメ5倍を代入。

1.260-0.0005×13-0.110×0+0.0001×5=1.254

やはり、1.254は出ないとおかしいようです。しかし、動画をよく確認すると、ファトゥム00の回復後も僚機は戦闘を続けていたようです。もし、このわずかな時間に被ダメがあったとして、被ダメ率0.1を代入してみましょう。

1.260-0.0005×13-0.110×0.1+0.0001×5=1.243

実測値と近いです。与ダメ倍率が5より高ければ、切り上げだと1.244になるので、これも計算結果とゲーム内評価を一致させられます。

動画データの使用を快諾してくださったiaNNさん、ありがとうございました。

4:51終了、被ダメなしの場合


JAXAの1on1アリーナデータからです。ディフェンダーは、モーション中のシャイニングフィンガーソードをガードでキャンセルさせてくるので、開幕に一発だけ射撃をおこなってタイミングをずらしています。戦闘時間9秒、被ダメ0、与ダメ5倍で計算をしてみましょう。

1.260-0.0005×9-0.110×0+0.0001×5=1.256

ぴったりです。が、ひとつ疑問点が出てきました。

耐久力が5倍になっているアリーナでは、敵機を倒した時点で与ダメ倍率も5倍以上出ていることが確定します。例えば5.1倍だったら、戦闘評価は1.25601となって、切り上げれば1.257になるはずです。実際は1.256でしたので、戦闘評価は小数点第4位で四捨五入か切り下げ、または、与ダメ倍率を小数点第1位で四捨五入か切り下げをしているかもしれません。ほかのデータでは、戦闘時間が同じ9秒のときに1.257の評価が得られることもありました。

実測値を元にした計算式の考察

基本的には推定した計算式で戦闘評価を求められるようです。ただ、被ダメ率や与ダメ倍率に関しては、まだ明確でない部分があります。

被ダメによる減点

被ダメによる減点計算は、おそらく0.1刻みの倍率で計算されているのではないかと推測しています。そうすると、耐久力が10%減少するごとに0.1ずつ倍率が上がるのが理にかなっているでしょう。

残耐久力による被ダメ倍率(仮)
100%→0
90%以上100%未満→0.1
80%以上90%未満→0.2
70%以上80%未満→0.3
以下、同様に10%減少するごとに0.1倍ずつ上昇

与ダメによる加点

敵機の実耐久力が正確にわからない限り、与ダメ倍率も正確に求めることはできません。ただ、言えることは

・倒した時点で与ダメ倍率は5倍以上確定
・よほど弱い相手でないと20倍以上は難しい

ということです。その範囲で考えると、与ダメ倍率で変動するのは0.002程度で、例えば戦闘時間15秒、被ダメ0のときは、1.253〜1.255の戦闘評価になるだろうということがわかります。

その他の留意事項

同じタイムでクリアしたときに戦闘評価が0.1〜0.2ほど変わることがあるのは、与ダメ倍率で一応は説明がつきます。しかし、秒数が小数点以下も関与しているとしたら、このかぎりではありません。例えば、ステージによって開始時の機体間の距離が異なります。距離が遠ければ着弾までの時間に差が出るため、そのほんの僅かな差で評価が落ちるかもしれません。また、射撃系スキルに適正距離が設定されていれば距離によって与ダメがいくらか変わるかもしれません。これらの要素は、そのまま戦闘評価に関わる可能性があるものですが、今のところはその影響度合いは詳しくわかってはいません。

アリーナ戦闘評価の計算式のまとめ

はっきりしない部分がまだ残るとはいえ、実用上はそれほど問題にならない程度には、計算式を明らかにすることができました。

〈アリーナ戦闘評価計算式〉
戦闘評価=1.260-0.0005×戦闘時間(秒)-0.110×被ダメ率+0.0001×与ダメ倍率

戦闘時間は「0.2秒刻み」、被ダメ率は「0.1刻み」、与ダメ倍率は「5以上」を代入してください。

※ゲーム内で「4:56」と表示されている場合、戦闘時間は4.0、4.2、4.4、4.6、4.8秒のいずれかとなります。

ゲーム内表示/戦闘時間
4:58/2.0〜2.8秒
4:57/3.0〜3.8秒
4:56/4.0〜4.8秒
4:55/5.0〜5.8秒


0:01/299.0〜299.8秒
0:00/300秒
(12/24追記)

最後になりましたが、今回の記事の元となる検証はほとんどアスターさんによるものです。彼は、自分のアリーナ1回分を捨てる代わりに多くのデータを集め、戦闘評価の真相に迫りました。多くのガンブレモバイルユーザーのために、献身的な研究をしてくれたアスターさんを心から讃えたいと思います。



簡易的な戦闘評価計算シートを共有しておきます。編集権限を付与していませんので、ご自身でコピーを作成してお使いください。

【簡易版】戦闘評価計算